産まれた(原文まま)

12月9日日曜日

枕元に置いてある携帯が鳴る。いつもの迷惑メールだと思っていたが、最近フィルターをかけたおかげで変なメールが来ていなかったはず。ということは妻からのメール?それとも他の誰か?


時間:5時34分

表題:子宮開いています

本文:お腹が痛くトイレに行ったら出血しました!診察してもらったら子宮が3センチ開いていて、このまま陣痛が来たら産まれてしまうようです。(原文まま、以下略)


はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?睡眠モードだったのに一気に目が覚める。子宮口が開いているならこのまま進むだろ、普通。取り敢えず励ますためにメールを連続して送る。リーナの時は立ち合いできたがイオナはできるのだろうか。かといって時間は6時にもなっておらず娘は大いびきをかいて寝ている。もし出産となれば長時間家を空けることになるので娘はなるべく寝かせておきたい。7時に診察があるらしい。

数通メールをやり取りした後、決定的なメールが届く。


時間:7時19分

表題:Re8:子宮開いています

本文:診察後4センチになっていました。早く進めば午前中、治まればまだかかりそうです。(原文まま、途中略)

痛いねやっぱり。


いやいやいやいや、メール送る余裕あるの?おかしくね?リーナの時はあまりの痛さで拙者が夜通し腰をずっと押してたよね?余裕なんて一切なくてうめき声あげてたじゃん?まだ大丈夫なのか?拙者メダパニ状態。


時間:7時59分

表題:Re12:子宮開いています

本文:生まれそう!陣痛しつ入りました。向かってください!(原文まま)


”陣痛しつ”じゃなくて”分娩室”じゃね?という訂正なんてしている余裕もないし、その時はそんなこと気が付きもしなかった。(のちに陣痛準備室というものがあることを知る。)お義父さんに連絡をしていたのでいいタイミングで来てくれる。二人に3,000円を渡してお昼ご飯をお願いして拙者はダッシュ。家を出たのは8時5分。車に乗るとメールが来ていることに気が付く。


時間:8時03分

表題:Re12:子宮開いています

本文:一時間ないには生まれそう!(原文まま)


2行程度のメールを送り出発。病院まで朝のこの時間なら一時間かからないはず、気持ちは焦るが事故を起こしては元も子もないので”産まれたら仕方ない”という気持ちで車を走らせる。五日市街道を走り国分寺に入った先の西武線の踏切で運悪く電車が通過。その時にメールが来たので脇道に入り停車してから携帯を見ると・・・


時間:8時26分

表題:Re14:子宮開いています

本文:産まれた


え?チョ、マテヨ。1時間以内に産まれるって言ってた、嘘は言ってない。でもさ、何それ。訳が分からないのは”産まれた”というメールを送ってくることが出来るほどなの?リーナの時は意識が遠くなって出産日は面会謝絶状態になったじゃない?今回はそんな感じなの?意味が分からないけど、公立昭和病院に行ってみれば分かること。産まれちゃったんなら焦っても仕方ない。メールを送ってから向かうことに。

病院の駐車場に車を停め携帯を確認すると・・・。


時間:8時40分

表題:Re16:子宮開いています

本文:1927グラム。元気に泣きました!大丈夫だよ!イオナがんばったよ!だっこしました。(名前以外原文まま)


受付の方に事情を話し、地下2階から3階まで階段を駆け上る。エレベーターなんて待ってられる気分じゃない。

3階産婦人科ナースステーションで妻の所在を聞くと

「おめでとうございます。」

と。”あぁ、そんな風に言ってられるほど問題が無い出産だったのか”と。出産した後にメールしてくるぐらいだから妻は生きてるし元気、イオナも危機が迫った状況ではないんだなと理解した途端に疲れが。

しばらくして分娩室に呼ばれ妻と対面する。顔色も良く本当に出産した後なのかと思うほど。

拙者「お疲れ様、体調は問題ない?イオナは?」

など何を話したか全て覚えていないが気になることは全て聞いた気がする。

看護師さん「奥さん、寝たままでいてもらいますので、朝食を食べさせてあげてください。」

元気そうに見えても起き上がれないほどなので、スプーンを使って妻に食事を食べさせる。鮭ご飯も煮びたしも結構食べる。お味噌汁も具は食べられるだけ食べた。話をすると時折涙を流したり笑ったり。辛かっただろうし嬉しかっただろうし、いろいろな感情が混ざっているのだろう。

そして食事をが終わったころ看護師さんが拙者の元にメモを持ってくる。

看護師さん「体重は1927グラム、産まれた時間は8時24分ですね。」

チョ、マテヨ?妻の「産まれた」というメール、8時26分に送られてきていたはず。産まれたのが8時24分。分娩台の上に携帯が置かれている。出産して直ぐに送ってきたのか。出産ってそんなに楽なことじゃないはずじゃね?妻、おかしくね?


拙者が病院に着いてから3時間近くが経過した12時。ようやくイオナとご対面。

保育器入っているので抱き上げることはできない。でも拙者がイオナを見て感じたことは、小さい、可愛い、リーナの産まれてきた時に顔が似てるということ。他人が見たらただのお猿さん程度にしか見えないけど、拙者にとっては特別。こんなに可愛い子がリーナ以外に存在するということに喜び、ここまでお腹の中で大事に育ててくれた妻に感謝しかない。

少しなら触れていいということで足の裏を触ると「やめてよ」という感じで足をバタバタさせ、ほっぺたを触ると目を開けようとする。2,000グラムに達しない小さな体なのに必死に生きている。

エレン母「こんなにかわいい、だからこの子はもう偉いんです。」

分かるわ~。

ということで37週を待たず産まれちゃいました。34週5日、妊娠出産から育児へ。スキルアップした兼業主婦として頑張っていきます。

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