次女イオナが生まれたことにより、長女リーナに手をかけてあげられる時間が減ってしまっている現実。それでも一緒に出掛けたり、お風呂上がりの髪を乾かしたり、勉強して寝かしつけまでは今まで通り。関係が悪くなっているということは特にありません。しかしその関係が壊れてしまうかもしれない事実を告げる時が来ました。
このクリスマス時期、親がサンタだとばれない様に長女次女二人分のプレゼントを用意して寝ている間に枕元に、という行動が次女が生まれたことにより非常に難しくなりました。そして妻と出した結論は、小学五年生になる長女に真実を話し、拙者達と次女を喜ばせる側に回ってもらうというもの。本当に親の勝手で「サンタはいる!」としていたものを「サンタは親でした~!」と今まで教えていたことをひっくり返す訳ですから、嘘つき呼ばわりされても仕方ありません。
真実を告げようと決心した日。娘に話しかけようとしても切り出せない。そして何も言えずその日は終了。脳内でのシミュレーションがうまくいかず、切り出し方も何を話していいかもまとまっていなかった・・・としておく。
実際は、話しかけて切り出そうとすると拙者が泣きそうになる。なんだか辛い。嘘をついていたからとかではなく、娘の大切な気持ちを拙者がぶち壊すって、本当に悲しい気持ちになる。他人の心は木っ端微塵になっても、娘の心にはなるべく傷ついて欲しくないという親の気持ちなのかなと。
そして数日後、意を決する。朝食が終わりマッタリしているところ、妻からの刺すような視線を感じる。どういう反応になるのか不安しかなく鼓動が聞こえるほど緊張していました。
拙者「なぁ、リーナ、話があるんだけど。」
口火は切れた。あとは勢いに任せて・・・
拙者「サンタさんについてなんだけどね?」
リーナ「うん、サンタって親なんだよね?」
妻・拙者「!!!!!!」
妻「いつから知ってたの?」
リーナ「小学校になってから変だなと思ってたよ。お父さんとお母さんが何をもらうのか必ず聞いてくるのも変だし。プレゼント配るからって知らないおじさんが家の中に勝手に入ってくるって犯罪でしょ?フホウシンニュウじゃないの?」
拙者「確かに不法侵入だけど、サンタは許されてる感じするじゃん?」
リーナ「寝てるところに知らないお爺さんが来るとかあり得ないわぁ。家も鍵がかかってるしお父さんが隣で寝てるのに。それに学校でプレゼント何をもらうか話をしているときに普通に知ってしまったから。あ、でも今の私のクラスのエマちゃん、男の子が『親がサンタなんだぜー!』って言うのを聞いて泣いてたよ。そういう子もいるけど皆ほとんど知ってるんじゃないかな。」
もう完全に拍子抜けでした。騙されていたふりをしてくれていただけ。親が知らないところで子供同士でいろいろ情報交換してくれていたお陰でダメージゼロ、笑い話で済むこととなりました。
妻と拙者の心配をよそに、”当たり前のことを今更・・・。”といった雰囲気の娘。妻なんて洗い物をしながら涙目になるほど緊張していたのに。拙者は「サンタは親なんだぜ!」と通っていた幼稚園で真実を語り親ともども注意を受けることになったのに、空気を読んだ娘、偉いと思う。
そんな感じで杞憂に終わったサンタの真実でした。